例の床屋を再訪した話
月日は流れる。
ナガルナガル。
はやくも年が明けて1か月がたった。
月日が流れれば変化がある。
その最たるものはそう、髪。
そう。髪は伸びてぼさぼさになるのだ。
バンクーバーというまち、
UBCという環境は
どうも「着飾る」意識を低下させるようで
服も髪もわりと「どうでもいい」というのがこの頃である(やばい)
最近はニット帽どかーん被ってそれで出歩いている。楽なので。
渡部陽一みたいって言われたこともあるが気にしない。
しかし、あまりに伸びすぎると単純にうざくなってくるので
耐えかねて散髪することに。
床屋を予約するのも探すのも面倒になってしまったので
ふたたび例の床屋を訪れた。
そう、読者の皆さんの中で結構ファンの多かった、
「バーバー・イカニモ」である。
※バーバー・イカニモを初めて訪れたときの記事はこちら。未読の方はぜひこちらを読んでいただくと一層これ以降の記事を楽しく美味しく微笑ましくご堪能いただけると思います。
新キャラ登場
この日はすぐに椅子に通された。
すると懐かしのカルバンおじさんと再会。
相変わらず豪快に隣りの人の髪を切っていた。
というわけでこの人のカットが終わるのを待つことになるのかと思っていたら、
おばさん登場。
「ハイ今日どーすんの!?」
上沼恵美子と呼ぶことにする。
どうやら今日のりょーすけはこの人に料理されるらしい。
カルバンおじさんに切ってもらえると思っていたのでたじろぐ私。
どーしよう、大問題だ。「前みたいな感じで」が使えない!
んーとりあえずあんまり短くはしてほしくはないなーなんて言っていると、
上沼「スタイルブックでも見るかい!?」
おおお!!バーバー・イカニモにそんな高貴なものがあったとは!だてに床屋を名乗っていない。それに準備0な私としてはスタイルブックは大変ありがたい。
すると上沼は持ってきた。スタイルブックを。
パラパラめくって2秒で気づいた。
奇抜なのばっか。
あと致命的なのは欧米人仕様である。
※こんなんばっかり
Take your time take your time~!!
そういって上沼は
決まったら呼ぶよう言づけて店の奥に下がった。
いやテイクヨアタイム言われてもそもそもまともな髪型なさそうだし…
とか思ってると
7秒くらいで戻ってきた。
何がTake your time やねん!!!!!!
上沼はもう切りたくて切りたくて震えている。西野カ(略
しまいに上沼はスタイルブックをパラパラしだして、
「49番!49番の髪型ど!ど!これでいこ!いこ!!!」
49番はミディアムショートでまぁなかでも無難な感じ。耳元が短いがそれ以外はそこまで短くない。
前髪がスパークしてたのが唯一気になったがまぁいいかな、と。
突っ込み鋭く顔も鋭い私には合いそうなスタイルである。さすが上沼恵美子、相方をわかっている。
すると上沼はその写真の耳元の短い部分を指しながらしきりになんか言ってる。
が、正直支離滅裂でなにいってんだかわかんないサンドウィッチマン状態だったので
とりあえず、「はいじゃこれで切ってください」とゴーサインをだした。
上沼恵美子のおしゃべりカッティング
こうしてカットが始まる。
ちなみに同じ頃、新しい客がやってきたとき
カルバンおじさん「Oh~~~!!!! How’s it going~~~!!??」
客「goooooood!!! How are you~~~~!!??」
\Hahhahhahhahha/
みたいなことになってた。
カルバンおじさん、今日は常連客の相手に専念、なのだろうか。
その方は隣りに座った。相変わらず切る髪がなさそうな感じだった。
そして上沼はキリフキブシャーもつかの間、
何かを物色している様子で引き出しを開け閉めしている。
なにしてんだろーって思ってたら、ハサミを見つけて戻ってきた。
……だからおいとけって所定の場所に!
平常運転だなオイ!
発見① 上沼恵美子、相当しゃべる
私が彼女を上沼恵美子と名づけたのは見た目が似ているだけに起因しない。
まー喋るのである。
前回の沈黙の職人カルバンおじさんとは打って変わって超喋る。
発見② 英語がめちゃくちゃ
上沼はベトナムから移り住んだらしい(ちなみにカルバンおじさんも)
で、よくしゃべるのはいいんだけど、すぐ気付いた。
あ、英語めちゃくちゃだ。
もうSVOもクソもないのだ。単語の乱発。
それで会話を形成しているのだからただものではない。
意味が分かってしまう自分も怖い。
塾講経験がうずく。彼女に五文型を叩き込んでやりたい。
発見③ 日本に行くらしい
自身が日本から来たことを明かすとなんだかテンション高めな上沼。
まさに気の利いた調味料が加熱中の食材に加わったときの本家上沼恵美子のテンションと瓜二つである。
で、話を聞いているとどうも来週の月曜から休暇で日本に観光に行くらしい。
そりゃアガりますわな。
上沼「Arrive, at, Na, Naru…
ぼく「あぁ、成田ね」
上沼「wwwww」
上沼「Then, use, use, Keisu, Kei…
ぼく「あぁ、京成線ね」
上沼「wwwww
Express!! wwwwwww
1 hour!!!! 1 hour!!!!!!!! wwwwwwww」
この会話2周くらいした。
まさかカナダで「京成線」で盛り上がるなんて思わなかった。
そして確信した。
この人、成田から都心まで絶対迷子にはならない。
発見④ 成田からのアシに精通している
ぼく「で、どこに滞在するの?」
上沼「Ni, Nippo…
ぼく「あぁ、日暮里?」
上沼「NIPPORI!!!! NIPPORI!!!!!! WWWWWWWWWWWWWWWWWWW」
発見⑤ 日暮里信者
日暮里自体は「観光地」ってイメージはないなぁ、って言っても、
日暮里は便利だ!日暮里はすべての場所に通じている!日暮里こそ最強だ!
と、この一連の会話で日暮里のプレゼンスが急上昇した記憶がある。
ぼく「で、東京のどこに行くかは決めたの?」
上沼「Yeah….
ぼく「どこどこ?」
上沼「Yeah really….
ぼく「どこ?」
上沼「Mmm yeah…
発見⑥ やっぱ英語ダメ
お前はハーバルエッセンスか。
そしてその沈黙のさなか、隣りのカルバンおじさんがカットの途中、客に、
…What’s your name?
常連じゃなかったんかぁーーーい!!!!!!!
なんだったんだよさっきのあの盛り上がり!!!!!!!!
ほんでもって名前きくのあんたの常套トークか!!!!!!!!!!!
結果
そして気づけばカットが終わっていた。
結論から言うと
めっちゃ切られました。
最初にバリカン持ち出したあたりであれってなったんだけど、気づけば結構なショートヘアーに。
49番の写真で気になっていた前髪スパークもあぁら不思議、ないですわ。
そもそも前髪自体ない。
「ほら!さっぱりしたでしょ!」
いや49番どこいったの。
「セットしやすいでしょ!」
いやいや49番どこいったの。てゆか セットのしやすさ=髪が少ない って乱暴すぎるでしょ。
「ワックスどっとつけてね!すぐできるからね!」
だから49(略
察するに、最初に49番の写真の、耳元の短い部分についてやたらつっこんでいた上沼、どうもその長さを髪型全体に適応したらしい。すごい。その思い切りに万歳。参りました。
どうも49って不謹慎な番号だなーと思っていたら、案の定このような結果に。ちーん。
勢い1000%の上沼恵美子のカットは
病み上がりにはちと応える肌寒さ。
ま、これはこれで。。。。と思うことにしよう。
で、日本の皆さん。
日暮里で上沼恵美子っぽいベトナム人見かけたら
東京の有名どころにでも連れて行ってあげて下さい。
さもなくば彼女にとってのTOKYOはNIPPORI wwwwww と同義になってしまうのです。
TOKYOのプレゼンスは皆さんにかかっています。
(なんだこの締めは)